「年賀状じまい」という言葉はご存じですか？これは年賀状の交換を終えることを伝える最終の年賀状を意味し、最近では終活の流れに沿った「終活年賀状」とも呼ばれています。
本記事では、「年賀状じまい」の具体的な内容と、送り手と受け手の双方にとって気持ちの良い形で年賀状の交換を終えるための書き方のコツや、実際に使える文例をご紹介します。
年賀状じまいとは何か？
「年賀状じまい」とは、年賀状の交換を終わらせることを告げる最終の年賀状のことです。
終活が注目される中、年賀状の交換を整理することを考える人が増え、それに伴い「年賀状じまい」の実践者も増加しています。
最近では、終活世代に限らず、40代～50代の中年層でもこの慣習が広がっており、スマートフォンの普及に伴い、若年層も年賀状よりもメールやSNSを通じた挨拶に移行する傾向にあります。
「年賀状じまい」は、年賀状だけでなく、寒中見舞いや重要な人生の節目など、様々なタイミングで行われることがあります。
寒中見舞いを通じて「年賀状じまい」を行う場合、1月7日の松の内が終わった後から2月4日の立春までに届くように投函するのが一般的です。
理想的な時期は1月末ごろです。喪中で年賀状を出せなかった場合にも、寒中見舞いを通じて連絡するのが良いでしょう。
年賀状をやめることの利点とは？
年賀状をやめることの利点には、主に3つの重要な側面があります。
不要な人間関係と連絡先の整理
年中ほとんど交流のない知り合いや親戚と、年賀状のためだけに連絡を取り合っている場合があります。
年賀状を送ることをやめることで、これらの関係性や連絡先を見直し、真に大事な人間関係に焦点を当てることができます。
時間とコストの節約
年賀状を準備する作業は、年末という忙しい時期には特に負担になりがちです。
特に年齢を重ねると、年賀状を書くこと自体が大きな労力になりえます。
送り先が多いほど、かかる費用も増えますが、年賀状をやめることで、これらの時間とコストを節約することが可能です。
新しいコミュニケーション手段への切り替えで関係性が活性化
年賀状をやめる際には、代わりとなるコミュニケーション方法を提案することが好まれます。
メールやソーシャルメディアなどの代替手段を用いることで、以前は年賀状のみでの関わりに限定されていた人々との交流が再び深まり、新たな形での関係が生まれることがあります。
年賀状じまいの書き方の要点
年賀状じまいの文面は慎重に選ばれるべきです。
不適切な表現は絶縁を意味すると受け取られかねず、相手を不快にさせる可能性があります。
以下では、年賀状じまいを伝える際の重要なポイントを紹介します。
主な構成要素は以下の3つです。
１挨拶文
２年賀状じまいの理由
３代替案の提示
それぞれの要素を盛り込む理由とポイントを詳しく見ていきましょう。
丁寧な挨拶と近況報告
年賀状じまいを伝える際、最初に通常の挨拶と近況報告を含めることが大切です。
特に、新年の挨拶として年賀状じまいを伝える場合、受け取る側が不快に感じないよう、礼儀正しい言葉遣いを心がけることが重要です。
年賀状じまいの理由を明確に伝える
生活様式の変更や年齢など、年賀状じまいの具体的な理由を簡潔に述べます。
ここでは、誤解を招くような表現は避け、疎遠にする意図がないことを明確にすることが必要です。
全員への年賀状じまいの伝達と今後の関係性の強調
年賀状じまいを行う際は、これが関係を断つ意味ではないことを強調します。
「皆様」や「どなた様」など全員を包括する表現を用いて、全ての受取人に対して年賀状じまいを行っていることを示すことが大切です。
年齢層と理由に合わせた年賀状じまいの文面例
年齢や理由に応じて、年賀状じまいの文面は異なります。
ここでは、世代ごとに年賀状じまいの理由に基づいた文面例を提供します。
20代～30代向けの年賀状じまい文面
・時代の変化を理由とした文面
新年あけましておめでとうございます。
昨年は格別のご愛顧を賜り、心より感謝申し上げます。今年もどうぞ宜しくお願いします。
この度、時代の変化に伴い、年賀状の代わりにSNSでのコミュニケーションを重視することにしました。
今後も変わらぬご縁を続けられれば幸いです。SNSでの交流を楽しみにしています。
新年あけましておめでとうございます。
昨年は格別のご厚情を賜り、誠にありがとうございました。本年も変わらぬご支援を何卒宜しくお願い申し上げます。
本年より、より効率的なコミュニケーションのため、年賀状の代わりにメールを活用することにいたしました。
今後も継続的なご関係を期待しております。メールでのやり取りを心よりお待ちしております。
・家族との協議による文面
新年あけましておめでとうございます。
昨年も大変お世話になり、心から感謝しております。今年も引き続き宜しくお願いいたします。
家族との話し合いの結果、今後は年賀状の代わりにSNSで皆様に近況をお知らせすることにしました。
引き続きSNSでのご交流を楽しみにしております。
・企業の方針を理由とした文面
新年あけましておめでとうございます。
昨年は格別のご支援を賜り、誠にありがとうございました。今年も変わらぬご支援をお願い申し上げます。
当社の環境方針に基づき、今年よりペーパーレス化を進めることにしました。その一環として、年賀状の代わりにメールでのご挨拶を行います。
今後ともメールでのご連絡を心よりお待ちしております。
40代～50代の年賀状じまい文面例
年齢層や理由に応じた年賀状じまいの文面を考える際には、適切な言葉遣いと内容が重要です。
40代～50代の方向けの年賀状じまいの文例をいくつか提供します。
・デジタル化への移行が理由
新年あけましておめでとうございます。
昨年は様々な面でお世話になり、深く感謝しております。今年も変わらぬお付き合いをお願いします。
時代の流れに沿って、私もデジタル化を進めることにしました。そこで、来年より年賀状の代わりにSNSでの交流に移行することにいたしました。
最近は○○（SNS名）でのやり取りが多くなっておりますので、今後はそちらでの交流を楽しみにしています。私のIDは〇〇です。
新年あけましておめでとうございます。
昨年は格別のご支援を賜り、心から感謝しております。今年も引き続きご支持をお願い申し上げます。
しかしながら、本年より年賀状を辞退させていただくことになりました。代わりにメールや電話でのコミュニケーションに重点を置いていきます。
今後はメールや電話でのやり取りを心よりお待ちしております。
・他のコミュニケーション手段への移行を理由とする
新年あけましておめでとうございます。
昨年は多大なご支援をいただき、厚く御礼申し上げます。
今年は人生の節目を迎え、年賀状の送付を終了することに決めました。これからは○○（メールやSNS）で新年の挨拶をさせていただきます。
今後も変わらぬお付き合いをお願いいたします。
新年あけましておめでとうございます。
旧年中は大変お世話になり、心より感謝しております。
今年より、より効率的なコミュニケーションのために、年賀状の代わりに○○（メールやSNSなど）でのご挨拶を行うことになりました。
何卒ご理解いただき、今後も○○（メールアドレスやSNSアカウント）でのご連絡を心よりお待ちしております。
60代における年賀状じまいの文面例
60代の方々が年賀状を終了する際の文面は、人生の大きな節目や健康状態を反映した内容が望ましいです。
以下はそのような文面の例です。
・還暦や定年退職を契機とした年賀状じまい
新年あけましておめでとうございます。
昨年はいろいろとお世話になり、感謝しております。
今年、私は還暦を迎えることになり、この機会に終活の一環として、年賀状を今年で終了することに決めました。
これまでのご縁に感謝し、今後も変わらぬお付き合いをお願いいたします。
新年あけましておめでとうございます。
昨年も多大なるご支援を賜り、心から感謝しております。
本年より、長年勤めた会社を定年退職することになりましたので、年賀状を今年限りで終了することに致しました。
今後のご挨拶は○○（メールやSNS）で行いますので、引き続きご支援のほどお願いいたします。
・年齢による年賀状作成の困難さが理由
新年あけましておめでとうございます。
皆様にはいつもお世話になっております。年齢を重ねるにつれ、年賀状作成が難しくなってきました。
そのため、今年をもって年賀状の送付を終了することにしました。
皆様の今後のご健康とご多幸を心からお祈りしております。今後も変わらぬご縁を願っております。
70代における年賀状じまいの文面例
70代の方々が年賀状を終了する際に適した文面は、生涯の重要な節目や健康状態を考慮したものです。
以下はそのような文面の例を挙げます。
・重要な誕生日（古希、喜寿など）を契機とする年賀状じまい
新年あけましておめでとうございます。
昨年は大変お世話になりました。今年もよろしくお願いいたします。
私もこの年になり、古希（または喜寿）を迎える節目として、年賀状の送付を今年で終了することにしました。
ご理解いただきたく存じます。
今後も普段の交流は変わらず、電話やメール、SNSでのやり取りを楽しみにしております。皆様のご健康と幸福をお祈りしております。
（連絡先情報を記載）
・年齢による年賀状作成の困難さが理由
新年あけましておめでとうございます。
お変わりございませんでしょうか。年齢を重ねるにつれて、年賀状を作成することが難しくなってきました。
そのため、今年をもって年賀状の送付を終了させていただくことに致しました。
長い間のご交流に感謝申し上げます。今後は電話やその他のコミュニケーション手段でのご連絡を心よりお待ちしております。
皆様のご健康とご多幸をお祈りしております。
寒中見舞いを通じて年賀状を終了する際の文面例
寒中見舞いは、松の内が終わる1月7日から立春の2月4日までに送るものです。
投函の目安は1月末です。
年賀状を終了する旨を寒中見舞いで伝える文面の例を以下に示します。
・年賀状を今年で終了する場合
寒中お見舞い申し上げます。
皆様にはお変わりなくお過ごしのことと存じます。
私事で恐縮ですが、今年を最後に年賀状を終了することにいたしました。
これまでの暖かいご交流に感謝申し上げます。
今後はメールや電話でのやり取りを続けられたらと思います。寒さ厳しい折、どうぞお体をお大事になさってください。
寒中お見舞い申し上げます。
長年にわたり年賀状を通じたご挨拶を賜り、感謝いたしております。しかしながら、本年をもって年賀状を終了することに致しました。
今後はメールや電話でのご連絡を心よりお待ちしております。
寒い時期が続きますので、どうぞお身体を大切になさってください。
・来年から年賀状を終了したい場合
寒中お見舞い申し上げます。
先日は温かい年賀状をありがとうございました。
次年度より、年賀状の送付を控えさせていただくことにしました。
今後は他の手段でのご連絡をお願いいたします。
皆様のご健康とご多幸を心よりお祈りしております。
寒中お見舞い申し上げます。
年始にお送りいただいた年賀状、心より感謝しております。
来年からは年賀状の送付を控えることとしました。
今後はメールや電話などで、より密接な連絡を続けていきたいと考えております。
厳しい寒さの中、どうぞご自愛ください。
まとめ
本記事では、現代のコミュニケーションの変化に伴い、増加する「年賀状じまい」の概念とその具体的な実践方法に焦点を当てました。
私たちの生活は日々進化し、伝統的なコミュニケーション手段も変わりつつあります。
この変化は、年賀状の交換に限らず、私たちの社会生活の多くの側面に影響を与えています。
「年賀状じまい」は単に年賀状を送るのをやめるという行為以上の意味を持っています。
それは人間関係の見直し、コミュニケーションの質の向上、そして新しい時代の流れへの適応を象徴しています。
この記事を通じて、読者の皆様が「年賀状じまい」を行う際の参考にしていただければ幸いです。
また、提供した文例は、さまざまな年代や状況に応じたものであり、皆様が自身の状況に合わせてカスタマイズしやすいように設計されています。
この記事が、年賀状を終了する際の一助となることを願っています。
最後に、伝統的な年賀状のやり取りに代わる新しいコミュニケーション手段が、より豊かな人間関係の構築に寄与することを期待します。
新しい年が皆様にとって素晴らしい一年でありますように。